タンチョウの標識調査
人には全て名前があるように,タンチョウにも名前をつけて,戸籍を作り,それを保護に役立てようというのが
標識調査です。1988年に始まったこの調査で,2020年までに629羽に標識が付けられました。それにより,寿命(2020年3月現在の最高齢は29歳のオス2羽)や生存率(
*)などのほか,実にさまざまなことがわかってきています。
タンチョウの標識調査は、(財)山階鳥類研究所から足環の提供を受け,タンチョウ保護研究グループが実施しています。実施にあたっては,多くのボランティアの協力をいただいています。
*例:ある年に20羽のタンチョウに標識を付け,次の年にその内14羽の生存が確認された場合の生存率は14÷20×100=70%(幼鳥の1年後の生存率)となる(図参照)。
生まれて2ヶ月ほどの飛べない雛を調査者が取り囲んで捕まえ,標識(足環)を付けます。その際,体の大きさを測ったり,体重測定もしますが,雛を安心させるため,頭に目隠しをしています。標識を付けて放された雛は,まもなく親と合流して,日常の暮らしに戻ります。
2005年から足環が新しくなりました。以前はプラスチックのカラーリングを用いていましたが,壊れて落ちやすいため,金属環に変えました。右足のかかと関節の上に,番号(写真上のツル
は黒字で縦に040,右のは041)の付いた長さ7cmほどの黄色(金色?)リングをしています。リングはアルミ合金で,重さは約27gです。
足環をつけた若いタンチョウが道内を移動した例を以下に紹介します。こうした標識個体の追跡記録は各地のタンチョウファンによる協力に支えられています。
過去3年間に確認されている標識個体の表は
こちらです。最近では1−3年ぶりに確認された個体も見つかっていますので、どんな確認情報も貴重です。観察されましたら是非記録を事務局までお寄せ下さい。
E-mail:
tancho1213@pop6.marimo.or.jp