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主な活動mainly activities

タンチョウの総数カウント調査

 
 タンチョウ日本に何羽いるでしょう。それを確かめるのが羽数カウント調査です。タンチョウが集まって暮らす厳寒期に、給餌場やその他の場所で、毎年カウントを行っています。

タンチョウの数の一斉調査は、児童生徒などに参加を呼びかけて、1952年から北海道が始め、大きな成果を上げてきました。しかし、うまく実数をとらえられないようになったので、私たちは1985年に、独自のカウント調査を始め、より正確な数を知ろうとしています。

カウントでは数を1羽、2羽と数えるのですが、たくさんのツルが入り乱れて動きまわったり、数えている内に飛んで行くのもいれば、飛んで来るのもいてそれほど簡単ではありません。ただ、ツルの数ばかりでなく、同時にさまざまな行動も観察できますので、ツルをよく知るには絶好の機会です。

しかも、成鳥と幼鳥(前年生まれのツル)を区別して数えるので、その時点の繁殖成功率(*)などもわかりますし、足環をつけた個体を一斉に確認できるなど、保護を考える上で重要な情報が得られます。

ともかく、野生の動物で数がほぼ正確に捉えられているのは、日本ではタンチョウのほか数えるくらいしかありません。そして、この数値が、タンチョウの保護策を進めるための重要な資料になっています。

この調査ではより正確な数を得るためにさまざまな方法を工夫していますが、最も大切で誇らしいことは一般の多くの方々が参加して下さることで継続できているということです。
 
 
生息地が失われ、さらに狩猟などで数の減ったタンチョウは、前世紀半ばまで30−40羽しか目撃されませんでした。しかし、餌付けの成功で冬の餌不足が解消し、20世紀後半から今世紀にかけて急速に増えました(図参照)。
北海道における野生タンチョウの冬季確認数はこちらまで

2005年には総数で1,000羽を突破し、1歳未満の幼鳥数も2001年からは毎年100羽を超えています。そのため、幼鳥の割合は毎年全体の約11%前後を占めています。

この幼鳥の数と、飛行調査などで調べた繁殖番い数とから、年ごとに、どれだけの繁殖番いがうまく子を育てられたか、つまり繁殖成功率(*)が計算できます。うまく行った年は。繁殖番いの40%(1992)ほどが、よくない年は28%(1994)が幼鳥を育てていました。したがって、平均的には、繁殖番いの約3分の1しか子を育てられないことがわかります。

また、タンチョウは1−2(平均は1.8)個の卵を暖め、産まれた卵の70−80%は孵化すると思われます。しかし、子育てに成功した番いの約84%が、1羽しか子を連れていません。無事に2羽の幼鳥を育てるのは、全家族のうちの多くて20%ほどにすぎないのです。

*ここでいう繁殖成功率とは,(羽数調査によりカウントされた幼鳥を連れた家族数)÷(前年の全繁殖番い数)で求められる。


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