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第7回ヨーロッパツル会議に参加して
2010.11.09更新

 10月14日から17日にかけてドイツ北部の港町Stralsundで開かれた第7回ヨーロッパツル会議(European Crane Conference)に招かれ、参加してきました.会議の参加者はヨーロッパ11ヵ国に加えて、エチオピア、アルジェリア、イスラエル、アメリカ、そしてアジアからは私1人でした。地元ドイツを中心に100人以上の参加がありました。アルバニアからは、これまで情報の少なかったクロヅルの東側の渡りルートに関する新しい報告があり,ヨーロッパでは西部から東部に向かって,渡りルートを始めとするクロヅルの生態解明が進められていました。

 ヨーロッパでは渡りに関する情報交換、特に標識した個体に関する興味が各国チームや個人の連携を強くしているようです。標識されたツルを通して、関わった調査員同士の親しみが増しているのです。さらに、今のところはドイツ国内に限られていますが,インターネットを使って、標識個体の観察記録を登録しさらにその個体に関する情報を共有するシステム(internetbased Crane Observation Ring Archive)が立ち上がっています。興味のある方はhttp://www.icora.de/  を覗いてみて下さい。メンバー登録が必要なので内部へのアクセスはできませんが、表紙だけは見られます。また、イギリスではクロヅルの繁殖は長く途絶えていたのですが,近年繁殖個体が現れ、さらにRSPB(王立鳥類保護協会)がドイツツル保護グループの協力を得て、再導入プロジェクトを始めているとの発表がありました。日本では阿寒国際ツルセンターで行われたことのある、ヒナのコスチューム飼育もしているようです。

 今回私は、タンチョウ保護研究グループの活動の柱のひとつである日本でのタンチョウの標識調査の概況と追跡調査の結果について発表しました。標識個体の生死に関する確認が北海道のタンチョウほど 高い確率でできるところは他にないからです。

  ドイツでは燃料用のバイオガス生産のためのトウモロコシ栽培が大規模に行われ、それが西ヨーロッパでのクロヅルの急激な増加の要因になっているとのことです。今回はちょうど収穫期に当たっていたため、刈り取り後のトウモロコシ畑に下りている100羽単位の群れを方々で見ることができました。(百瀬 邦和)


 
会の冒頭で挨拶するヨーロッパツルワーキンググループのプランゲ会長

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