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韓国のツル類越冬数カウント調査に参加しました
2009.3.4更新

 韓国ツルネットワーク代表のリー・キサップ博士のご厚意により、韓国ツルネットワークが行う韓国の越冬ツル総数カウント調査に、タンチョウ保護研究グループから真野徹さん、井上雅子さん、山根みどりさん、冨山の4名が参加しました。
 韓国での調査の様子と、ツルの越冬状況をご報告します。
 調査は、2009年2月14日〜15日に韓国に複数あるツル類の越冬地のうち、最も越冬数が多い鉄原(チョルウォン)地区と漣川(ヨンチョン)地区で行われました。
 調査には、研究者や地元のボランティアの方を合わせ、35名が参加しました。
 1日目は、ツルの分布調査で、チームごとに所定の地区を車で巡回し、タンチョウとマナヅルの数を数えました。調査地は広大な水田地帯で、田の一枚一枚にタンチョウとマナヅル家族が散らばり、落ち穂を餌に越冬しています。タンチョウはヒナ連れの家族の割合が高く、亜成鳥と思われる30羽くらいの群れにも出くわしました。
 2日目は、早朝にねぐらから飛び立つツルを数える調査でした。私が担当した場所は農業用水池の湖でしたが、タンチョウ153羽、マナヅル387羽がねぐらをとっていました。
 調査後には、漢灘江(ハンタン川)にある韓国ツルネットワークの給餌場へ給餌に行きました。給餌場のすぐ近くにはタンチョウ10羽がねぐらを取っていました。餌は、米・豆などの雑穀類を播いていましたが、これは税関当局が没収した中国からの不正輸入品で、国が無償提供してくれているのだそうです。
 さて、調査の結果ですが、当初リー博士のお話では今年の2月は例年より気温が高く、マナヅルの移動が始まっているので、タンチョウの総数は1月調査よりも減少するだろうとの予想でした。しかし、調査後の大まかな集計では、タンチョウ1028羽、マナヅル1855羽が確認され、タンチョウの確認数は、今冬最高となりました。
 韓国の越冬地を見て一番に感じたのは、日本に比べツルが人間に慣れていないということです。調査地の大部分はCCZ(人民統制地帯)と呼ばれる一般人の立ち入りが制限された地区で、また冬は農閑期であることから、調査地内でほとんど人の姿を見かけることはありませんでした。ツルは人間に慣れておらず、車が停止しただけでもすぐに飛んでしまいます。人間とツルがお互いの生活を阻害することなく、共存できる環境が残っているという印象を受けました。
 しかし、この越冬地もまた、様々な問題をかかえていることを昨年のシンポジウムでリー博士が発表されました。世界的にも貴重な越冬地の環境が守られる事を願ってやみません。
(冨山奈美)

 
鉄原の水田で採餌するタンチョウとマナヅル
 
ハンタン川のタンチョウのねぐら
 
鉄原にある唯一のペンション前にて調査参加者と

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