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2008年11月22日 講演会『大陸のツル類の今〜現状と保護〜』を開催
2008.12.2更新

2008年11月22日(土曜日)14:30〜17:00、釧路市立
博物館講堂にて、「大陸のツル類の今 〜現状と保護〜」と題して講演会が行われました。

主催:NPO法人タンチョウ保護研究グループ、釧路市立博物館
共催:博物館友の会
後援:くしろ入舟4丁目プロジェクト

この講演会は、地球環境基金の助成を得て行われたもので、ロシア、中国、韓国のツル研究者が各国のツルの現状と保護について講演し、約60名の方々が来場されました。各研究者の講演内容は以下のとおりです。

ロシアにおけるタンチョウの現状と保護

オレグ・ゴルショコ博士(ダウルスキー州立自然生物圏保護区)

気候変動により、ロシアのアムール川流域にある湿原の乾燥化が急速に進行している。繁殖していない(できない)タンチョウの数は増えているものの、繁殖している個体数は減少している。また、野火や密猟など、人の活動によっても影響を受けている。これからは、ツルの専門家らによる国際的な協力が保護活動において重要である。

中国・黄河三角洲におけるタンチョウの現状

カイ・シャン氏(黄河三角洲国家級自然保護区)

黄河三角洲自然保護区では世界に15種いるツル類のうち、7種を見ることができる。この保護区における調査の結果、2007−2008年の冬には42羽のタンチョウが越冬した。また、地球温暖化による影響かどうか明らかではないが、近年タンチョウが越冬地へ到着する時期が十日ほど遅れるようになった。今後は、気候変動が渡り鳥に与える影響やツルにとって適した環境に関する研究を行いたい。

中国・塩城自然保護区におけるタンチョウの越冬状況と保護

フュイ・ワン氏(塩城国家級自然保護区)

塩城自然保護区は、中国南東部の沿岸に位置し、タンチョウは10月中旬に飛来し、翌年の3月上旬に北へ渡って行く。この保護区で行われた個体数調査において、1999年には、千羽を超えていたが、2000年以降、約600−800羽で推移している。保護区における問題点として、生息地の分断化・農薬による薬物摂取・人の活動による干渉などが挙げられる。また、発電所や風車の建設などにより、衝突事故の増加が危惧されている。

朝鮮半島におけるタンチョウの現在と未来

キサップ・リー博士(韓国ツルネットワーク)

朝鮮半島のタンチョウは、主に非武装地帯(DMZ)に渡って来て、現在800−850羽が11月から翌年2月まで越冬している。北朝鮮にタンチョウの餌がないため、北朝鮮で越冬していた個体が南下し、チョルウォンへの集中化が進んでいる。ヨンチョンでは、ダムの建設により越冬地が水没する可能性がある。越冬期におけるタンチョウの餌を確保するためには、文民統制地帯(CCZ)における稲作推進政策が重要である。朝鮮半島の越冬地における幼鳥の割合と北海道のそれと比較すると、朝鮮半島の方が高い。北海道の個体数が増加しているのに、なぜ大陸の個体数が増加しないのか非常に興味深い。

発表後、参加者の方々から、発電用風車の建設によるバードストライクの問題や自然保護区における人の立ち入りや開発の規制に関する質問がありました。講演者の方々は、それらの質問にわかりやすく答えていました。

講演会後、各国の講演者およびツル研究者らと親睦を深める懇親会が催され、多くの参加者の方々と楽しいひと時を過ごしました。
 
ロシアのタンチョウ保護の状況についての講演
 
講演会は大盛況でした

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