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第2回国際エコキャンプ記念講演会を開催しました
2012.10.2更新

 2月1日に第2回国際エコキャンプ記念講演会をシルバーシティときわ台ヒルズで開催しました。
学生を引率して来られたロシアのタチアナ・ティカチューク博士とキーサップ・リー博士、また、中国からチンミン・ウー博士、当グループから正富欣之博士に話をしていただきました。
 ティカチューク博士は「ロシアにおけるサマーキャンプ」と題して、初めにダウルスキー自然保護区の説明があり、ロシア・モンゴル・中国の国境にまたがる国際的に保護されている湿地の一部であること、25〜40年という周期で湖が干上がって大量の魚が湖岸に打ち上げられたり、水位が下がってヨシ原が広がるまったく異なる景観を見せてくださいました。そしてこの保護区で2000年から大学のカリキュラムの一環として行われているサマーキャンプについて、電気も水道も無いキャビンの中で自炊しながら行ってる様子が紹介されました。エコシステムの学習と学生のトレーニングを兼ねて、一つのテーマを同じ場所で何年間も継続調査できるので、保護区と学生の双方にメリットがあるそうです。
 リー博士は「韓国のツル」と題して2008年から始まった国内14か所でのツル飛来数把握について、現在タンチョウが約1000羽(主要4地点の合計)、マナヅルが1500〜3000羽(同5地点)、ナベヅルが300〜400羽(南部3地点)であること、タンチョウがチョロンで増えているのは、越冬が見られなくなった北朝鮮や、韓国国内の他地域でダムや開発工事が進んだためにチョロンに集中した結果と考えられること、また、韓国のタンチョウの幼鳥比率は20%であるのに飛来数は増えていないこと、非武装地帯はねぐらとしては良いが餌は無いなどのお話がありました。
ウー博士は「タンチョウはどんな環境を好むか」と題して、黒竜江省ザーロン保護区で2002〜2008年に行ったタンチョウの営巣地についての研究報告でした。21万haという広さを持つこの保護区の80〜90%はヨシ原ですが、1997年以来、干ばつや野火水位変動等により環境が大きく変化したため、タンチョウが繁殖期にどのような環境を好むのかを調べた結果、縄張りサイズは小さくなっているが、2002年以降、ヨシ原を維持するための給水が始まり、環境指標はよくなっているというお話でした。
 正富欣之博士は「北海道のタンチョウはどのような環境で営巣しているのか?」と題して、20世紀前半以降に道内の湿地面積の60%が失われた中で、タンチョウの営巣環境がどう変わったかを知るため、現在の営巣地点を植生図に落としてみたところ、新たな営巣地はヨシ原で減少し、牧草地や畑地など乾燥した場所で増加していること、営巣地が人間の活動域とオーバーラップし、道東以外には湿地が残っていないことなどから、これからは越冬地の集中化を避け、できるだけ湿地を保存していくことが必要とのことでした。
 世界的にも湿地環境はどんどん減少しています。グローバルな視点で見ていくことの必要性を改めて感じた講演会でした。
(井上雅子)

 

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