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主な活動mainly activities

タンチョウの繁殖に関する調査

飛行調査

草の深い
湿地などでは,地上でツルを見つけるのは非常に難しいので,飛行機を使って,空からタンチョウの営巣状況を調査します。調査員は分担して,ナビゲーション,地図記入,映像記録などを受け持ち,ウの目タカの目(ツルの目でも?)で,地上のツルを探します。
タンチョウは200-300m上空からでも,白く光って見えるので,ナベヅルやマナヅルに比べると発見しやすいのです。小型のヘリコプターやセスナ機(写真)などは,この高さではツルにほとんど影響を与えません。1フライトで,連続6時間近く飛ぶこともあります。狭い機内で,急旋回の荷重に耐えながらの作業ですので,かなりのハードワークです。4月と5月にそれぞれ調査(期間は各1週間程度)で計2回を行い、合計120時間ほど飛行していましたが最近ではかろうじて1回の全域飛行を行っています。
 
ところで
,調査に当たっての最大の悩みは何か,ご存じですか? もちろん雨や風もありますが,なんといっても,調査員の「飛行機酔い」です!

巣の地上調査
タンチョウがどのようなところに巣を造るかを調べると,営巣地を保つための重要な手がかりが得られます。そこで,タンチョウの親子が巣から離れた時期に巣周辺の環境を調査しています。

しかし,草丈が高く,まったく見通しのきかない湿地で巣を見つけるのは,至難の技! そのとき,飛行調査で撮っておいた写真が,威力を発揮します。写っている地形や樹木などを,手がかりにするのです。

これまで,低層湿原(*)で多くの巣が見つかっていますが,高層湿原(**)に巣はひとつもありません。最近は,ごくまれに,ササ群落(原)や採草地(牧草地)に巣を構えた番いもいます。

巣は枯れヨシの丈が1.2mほどの所に多いのですが,そのほかヨシの密度や水深,植生などの条件はさまざまで,多様な環境を営巣地点として選らんでいます。つまり,選択の幅が広いのが特色といえそうで,現在のタンチョウが農耕地周辺などの人為的な環境に接して繁殖し,羽数を増やして生き残ってきた,ひとつの要因といえるでしょう。

*低層湿原:上流や周辺部から流れ込む水分と養分により保たれている湿原で,主にヨシで構成されている。
**高層湿原:降雨や降雪から水分と養分を得ている湿原で,主にミズゴケで構成されている。

 繁殖番い数
 飛行調査などにより、毎年どれだけの番いが繁殖に加わっているかがわかります。1980年代はじめには 50番い以下でしたが、2013年には400番いを超え、4半世紀の間に10倍近くまで増えました(図参照)。

 ただし、地域によって状況は異なります。たとえば、霧多布湿原とその周辺では、ここ30年近くの間、 営巣する番い数はほぼ一定です。つまり、湿原の収容力にたいして、ツルは飽和状態になっていると考えら れます。



 道東の湿原面積は次第に減っていますから、番いの増えているところでは密度が高まっています。また 繁殖地を求めて川の上流へ上流へと遡ったり、これまで繁殖番い数の少ない、オホーツク海沿岸や道北へも 進出し始めています。

 
繁殖を確認した番いの分布図


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