2009.9.21
草地の勉強会
 酪農についての勉強会や講演などは色々と行われていますが、今回は「簡易更新」をテーマに開かれました。
 この辺りで主流のイネ科の牧草は、基本的に冬を越して何年も生育するので、畑作のように毎回、畑を掘り返すことはしません。ただ、長く使っていると雑草が進入してきたり生育が悪くなったりします。その時に、畑の状態を元に戻す為「更新」を行います。ひとつは「完全更新」と呼ばれ畑全体を掘り起こし牧草の種を蒔き直す方法。一方「簡易更新」は畑の表面に小さな傷をつけてそこに種を追加していきます。
 それぞれにメリットがあるのですが、今回は昨年に簡易更新した畑を回り、上手く定着したかどうかを見てきました。
 牧草は、一見すると花や実がならないように見えるただの「葉っぱ」。しかし、糞尿をきちんと還元して、肥料や種を蒔き、土地条件や使い方に合わせて手間もお金も掛けて「良い草地」を作るのはなかなか大変ですが、広大な草地を持つ浜中酪農の面白さかもしれませんね。 


2009.9.3
9月になりました
夏らしい晴れ間 牧草を丸めたラップサイレージ
 また、だいぶ間が空いてしまいしまいました...ここ1ヶ月は、パッとしなかった短期予報も良い方に外れて、雨量は多いものの夏らしく晴れた日もあり、農家の皆さんはここぞとばかりに遅れていた採草作業に追い込みをかけ、お盆前にようやく目処がたちました。
 それにしても今夏のように一気に気温が上がると、たとえ放牧しても、いかにも「暑くて動きたくない〜、食欲ない〜」という感じで、牛達はぬぼーっと立っています。
 今年のように天気が不安定だと牛達にもストレスになり「夏バテ」のような状態になってしまいます。「冷たいビールで暑気払い」とはいかないので、涼しい夜に放牧したり、大きな扇風機をつけて風を送ったり、水槽をまめに掃除して新鮮な水があたるよう注意したり、ミネラルやビタミンを増やしてみたり...夏バテは、乳量や乳質を落としたり、繁殖状態にも影響して経営に跳ね返ってくるので、たとえ北海道でも夏を上手く乗り切ることは酪農家の大事な仕事です。
 とはいえそれも8月いっぱい。9月になればどんどんど秋の気配も強くなり、これからは過ごし易い季節を迎えます。


2009.7.22
お天気が・・・
牧草の穂も花が咲いてしまいそう 地面近くはまだ露も切れていません
 前回更新から3週間以上たってしまいました。ところが、例年なら目処のついている1回目の採草作業が、大幅に遅れています。原因は「お天気」です。 
 この期間、雨降りが多く、畑が水分を含み柔らくて作業機が入れなかったり、雨露が切れるのに余計な日数が必要となってしまいました。しかし、それをカバーする程の晴れ間が続かない為、作業を進められない状態になっています。
 これ以上遅れると、牧草も成長しきって繊維質が多くなり、搾乳する牛に食べさせるには栄養価が不足します。しかし、濡れて水分が多い状態で調整をしてしまうと品質の悪いものになってしまいます。
 稲作や畑作での豊作不作は良く耳にするかと思いますが、牧草にもお天気によって収穫の波があります。こればかりは「お天道様」にお願いするしかありません。
 しかし、酪農は「収穫した牧草」が売り物ではなく、あくまで「生乳」が商品です。牧草が多少の不出来でも、それ以外の餌や管理の方法で経営への影響を軽減出来るのも酪農の大きな特徴です。
 そうは言っても、ジメジメとした天気は人も牛も滅入ってしまいます。夏らしい晴れ日が続いて欲しいのが本音ですね。
 


2009.6.27
本格的に採草作業がスタート
牧草を短く切り込んでトラックへ。
この後、牧場まで運び詰め込みます。
運んできた牧草をコンクリートの枠に
ぎゅっと詰め込んで密閉
 肌寒かった先週までとは一転、「夏らしい日」が続いています。気温は20度ちょっとですが、急に上昇したこともあり、浜中では思わず「暑い!」と口に出てしまいます。
 さて、この待望の「晴れ」で採草作業が一気に始まり、あちこちの畑で作業機をつけたトラクターが走り回っています。配合飼料やトウモロコシなど与える餌は色々ありますが、草食動物の牛にはやはり草が一番!品質の良い牧草を採って与えれば、牛の体調も良くなり自然と乳量も伸びます。特に1回目の刈取は収量も多く、採草作業がこの時期の忙しさだけではなく、これから1年間の経営にも大きく影響してきます。

2009.6.19
進まない季節
 6月も後半に入りました。しかし、朝晩はまだ10度を行ったり来たり。元々、夏の短い道東ですが、何だかまだまだ春を引きずっているような感じです。
 北海道に「梅雨」はないのですが、それでもこの時期はお天気が安定しません。特に、今年は例年以上に晴れ間が少なく、雨も多く気温も低め。その為、牧草の成長も停滞気味。また、畑が乾かず柔らかく作業機が入れない所もあり、今年の1回目の牧草の刈取はスタートが少し遅れています。
 刈取りして「サイレージ」に調整する時に雨に濡れてしまうと品質が悪くなり、それを与えると牛にも悪影響が出てしまいます。その為、農家の皆さんは、空を睨みながら晴れ間が続くのを今か今かと待っています。 


2009.6.4
育成牧場の入牧
 このところ、寒さが少し戻り、朝晩の気温が1桁の日もある浜中町ですが、先週、育成牧場の入牧が行われました。
 農協では、若い牛を搾乳が出来る位まで育てる為に預かる「育成牧場」があり、農家の作業軽減や草地の足りない方などが利用されています。
 一年中預かっているのですが、配合飼料を与え牛舎で飼う冬場より、放牧が出来るようになる夏場の方が利用料金が下がるので、預かる頭数もグッと増えます。その為、育成牧場の放牧開始に合わせて一斉に受入をしています。預かった若牛達は、寒くなり牧草が伸びなくなる10月後半頃までここで過ごします。 


2009.5.20
農協の総会開催
 日本で一番遅い桜の開花宣言が釧路でも10日にされましたが、この時期に毎年、農協の総会が開催されています。
 農協の運営状況、今後の計画などを組合員と協議する大事な会合です。組合員は出資者でもあり利用者でもあるので、農協の在り方が自分の営農にも大きく影響してきます。
 また浜中の場合、酪農以外の農作物もなく、町全体をひとつの農協でほぼカバーしているので、この総会での内容は、町の基幹産業としても意味を持ちます。
 現在、酪農には様々な課題がありますが、組合員・農協の双方が協力してより良い生乳生産に努めています。  


2009.5.9A
新・農業人フェアのお知らせ
 今年度の農業人フェアが来週より始まります。最近の農業への関心の高さから来場者も増えています。まずご来場いただくのは勿論ですが、資料集めだけでなく担当者とお話したり、セミナーも覗いてみてください。農業や就農への気になること・不安なことについて、更に役立つ情報があるはずです。「酪農」も皆さんの抱いているイメージが変わるかもしれません。
 私共も「北海道 浜中町」のブースでお待ちしていますので、お気軽にお越しください。


2009.5.9@
今年、最初の放牧
@早く出して〜! A走らないでね〜!
B放牧地につきました! やっと開花しました!
 研修牧場では5月7日より放牧を開始しました。例年より3日ほど早めです。1週間は半日だけ放牧して環境に慣らしていきます。初日は嬉しいのか牛が興奮して走ってしまいましたが、2日目からは落ち着いて歩いていけるようになりました。10月下旬まで放牧を行います。
 場内の桜も咲きはじめ、ようやく春になりましたが、農作業も本格的に忙しくなります。焼肉を食べながらの花見は、作業が一段落する今月末まで我慢ですね。(場長)